優しくないっ、優しさを感じない!



…あ、あり得ない。

あり得ないあり得ないあり得ない!


「絶対あり得ない‼︎ 」


あ、あたしが進藤を好き?しかもこれってもしや、まさかの恋愛的な意味?そのつもりで言ってる?言ってるよねぇ⁈ お、おかしいって!あたしは進藤なんて好きじゃない!進藤の事なんてどうとも思ってない!もはや嫌いというかそういう話じゃなくてですね、だってあたしは、あたしがずっと好きなのは…っ、


「コースケだよ!」

「…え?」

「あたしが好きなのはコースケだ!ずっとコースケ一人だもん!」

「…ヒロ…」

「だってあたし、ずっとコースケの事、ずっと振られてた後もずっと、ずっと好きでっ、だから…っ」

「なぁ、ヒロ」


ポンっと肩に触れたのは、優しい手。


それにあたしはハッと我に返って…とんでも無い事をしでかしてしまった現状を、嫌でも理解する事になった。


「あ……あたし、今…」


ーーついに、言ってしまった。やってしまった。


今までのコースケの努力を無駄にした。作り上げてきた関係を、あたしは今自分から壊してしまった。