飛んだ勘違いだ！と、あたしは思わず力が入ってしまった。だってそんなの、進藤とあたしがここで会う約束してるみたいな、そのためにあたしがここに来てるみたいじゃないか！
「言っとくけど進藤は全っ然関係無い！むしろあいつがあたしのために来るはずが無い！てゆーかもし仮にあたしと約束したとしても守られる訳がない！…あ、だからさっき進藤の方がー…なんて言ったの？あり得ない！あり得ないよそれは‼︎ 」
「…そうか？まぁ約束してたしてないは置いといたとしても、進藤はヒロにそんな事しないと思うけどなぁ」
「い、いやいやっ、騙されてるんだよ！あいつは本当はとんでもない奴で、いつもあたしにだけはすっごい態度で…っ、」
ーーその瞬間、あたしは言葉を連ねる事を止める。
…違った。それはもう、前までの話。
以前のあたしと進藤の関係の話だ。
「…間違えた。コースケの言う通り…進藤はそんな事しないよね。だって進藤は、みんなに優しいもんね…」
…心臓が、ギュッと潰れそうになる。
「どうせ進藤はあたしの事なんてどうとも思ってないし。進藤から見たらあたしなんてその他大勢だもん。結局あたしなんて奴から見たらそんなもんだし」
なんでだろう。なんで今までそんな風にあたしは思えなかったんだろう。なんで気づけなかったんだろう。
「もうさ、だったら勘違いさせるような事するなって話だよ。それなのにあたし…一人でバカみたい」
