「俺が?怒ってないよ」
「ふ、普通ニコニコしながらそんな事言わないじゃん!怒ってるじゃん絶対!」
「いやだから、別に怒ってる訳では、」
「怒ってるって!怒ってるって絶対!もうごめん!ごめんね本当!進藤君だよね、覚えたから!覚えたから許して!優しい進藤君にこんなことっ、本当ごめん!」
「……」
すると進藤君は「はぁ…」と、大きな溜息をついた。…うん。そう、しっかりと一つつき終えてから、
「つーか、神崎 ヒロに伝言だよ」
なんて、あたしの必死な謝罪への答えも無しに、急に違う話題を持ち出してきた。
だからあたしは、あまりにも急なそれに「へ?伝言?」と、とりあえず間抜けであっただろうとだけは分かる顔で返事をすることになる。それが精一杯になる。
「…そう。中村から」
でも笑われないし間抜けだなんだって言われないから、もしかしたらセーフなレベルの顔だったのかもしれない。そうか、それなら良かった。てか本当はあたし、そんな顔して無いんじゃない?大体コースケはいつもあたしの真似と言う名の変顔をするけどさ、多分あれ似てないんだよ本当は。きっとそうだよ。もう今度会ったら言ってやる…って、
「コースケから伝言⁈ 」



