周りの視線をひしひしと感じながら…周りにいる進藤のクラスメイトの女子達を意識しながら、あたしはいつの間にかそんな想いを抱いていた。
もちろん、女子だけじゃない。男子だっているしコースケだっている。あたしの鬼気迫る様子からだろう、「え、何?修羅場?」なんていう声も聞こえてくる。でもそれも…なぜか女子の声で、それだけがあたしの癇に障ってくる。
それに…なんでだろう。怖くて聞けないって思ってたのに、嫌われてるって分かってても本人の口から言われたら絶対耐えられないって思ってたのに、だから電話だって出来なくて、だからこうやって向き合う事も避けようとしてた…はずなのに、
…あたしは今、それを求めてる。
あたしは今、さっきまでとはまるで違う想いで、違う返事を待っている。
ーーその瞬間。あたしは、あたしの中に眠っていた感情の欠片に気がついてしまった。
「あたしの事、嫌ってるならそう言ってよ」
…あんなに悩んでいたのが嘘のように、それはあっさりとあたしの口から外へ飛び出す。
「ハッキリ言ってよ…っ」
嫌ってるならそれでいい。今のあたしはそう思っていた。むしろそれを望んでいた。それはさっきまでと180度違う想い。それでもそれは正に、あたしの想いそのものだった。
…それなのに。やっぱり、だ。



