どっちだったら、嬉しい…?


思わず、目を丸くして固まるあたし。

考えた事も無かったそれに、あたしの思考はそのまま自分の世界へと向かっていく。


ーーどっちが良い?

進藤が…もし、あたしの事を好きだったとしたら。

あたしがコースケの事好きなみたいに、進藤があたしの事を好きでいたら。

進藤があたしに…恋、していたら。


あたしはーーどう思う?どっちが嬉しい?

進藤があたしの事を好きだとしたら、あたしは嬉しい?


ーー嬉しい?


「……」


その言葉に、心の中で何かが反応する。

確かに、あたしはその存在に気がついた。反応したのはあたしの中にあるもの。あたしの中にあったもの。どっちが良いかと言われて、迷わずそれを選びそうになった、そんなあたしの心は確かにそこにあった。

……でも、


「…どっちだったらとか…そんなの、言えない」


ーーあたしは、その感情を認めるわけにはいかなかった。