この、否定しない感じに、受け入れてる感じ。あたしの言おうとしてる事なんて、あたしの考えなんて分かってるはずなのに、それなのに止めないってことは、それは…つまり、
「合ってるの？」
「ん？」
「だから、答え…合ってるの？」
「答え？何の？」
「っ、だから…っ」
「あぁ、俺がおまえの事好きだって事？」
「 ‼︎ 、そ、そんなっ、」
簡単に！と言おうとした言葉は、奴に止められた。奴の真剣な表情によって、言葉は途切れてしまった。
…なんで？なんでそんな、そんな顔で見るの…？
「…どうだろう。どう思う？」
「え？」
すると、返ってきたのは尋ねる言葉に、にこりと微笑む奴の笑顔。
「神崎は、どっちだったら嬉しい？」
ーーそれは、今までに一度も、まったく考えた事の無い想定だった。
