「え?え、いや、それはさすがに…」

「なんで?ここまで赤裸々に話してきたんだから、それくらい言えるでしょ?」

「せ、赤裸々って、それは…その…って、あれ?…何か楽しんでない?ねぇ、楽しんでるよねぇ⁈ 」


ハッととらえた視線の先。すっかり興奮状態から覚めたあたしがしっかりはっきりとらえた進藤の表情。

それはさっきまでの冷えっ冷えの冷たい表情とは一変、すっかりあたしの様子を見て楽しんでいるような、そんなイキイキとしたタチの悪い表情をしていて…つまり、完全に遊ばれている。弄ばれていた!

…で、でも、一体いつから…?


すると奴はあたしの言及に、「バレたか」なんて呟くと、ニッコリと微笑みかけてきた。ムカつく。その余裕感丸出しであたしを弄ぶ奴が非常にムカつく!…んだけど、でも正直…


「嫌われてなくて安心した?」

「!、し、したよ!したけど、したけどさ!」


アンタへの文句やら何やらでもう、気持ちがごちゃごちゃだっての!


そして、フンッとそっぽを向くあたしに、進藤は「ふーん」と、何やら分かったぞ的な声色で楽しげに、軽く頷いた。


「保健室に迎え行った時もそうだけど…おまえさ、結構俺の事好きだよね」

「は?…は⁈ な、何いきなり!」


慌てて顔を進藤の方へと戻すと、そっぽを向いてる間にやけに近くなっていた距離にギョッとした。思わず後ずさろうとしたけど、その瞬間掴まれてしまった腕が邪魔をして、その場から動く事が出来なくなる。