「私なんかがってやつ…さっきから結構多いよね、そういうの。良くないよ、なんかじゃないもん」
「いや、でも私は…」
「あのね、レナちゃんは素敵だよ。だからあたしも…コースケも、好きになったんだよ」
「……」
「だからあたしは応援したいって思えたんだよ、相手がレナちゃんだったから。レナちゃんなら仕方ないなって思えたから。そんなコースケの気持ち聞いたらなんか、あたしも納得しちゃって…だから応援したいってなって素直に思えるんだよ」
「…でも…」
「えっと、確かにさ。もしあたしが逆の立場だったとしたらレナちゃんみたいに思ってたと思うんだ。だからレナちゃんの気持ちも分かる。でもあたしはコースケの気持ちも分かるし、何よりレナちゃんの事が大好きな訳だ。だから…さ、これは本当に、本当に自然な事なんだよ」
「……」
「なるようになったんだと思う。あたしもなんか、やっと終わりが見えたっていうか、やっとあたしが受け入れられる形になったっていうか。…言ったよね?一番良い在り方だって。あたしはもうね、ほんと満足してるんだ」
「……」
「だからレナちゃん…ちゃんとさ、あたしがどうとかそんなの抜きにしてコースケと向き合ってあげてよ。コースケは…まぁこんな風にすぐ行動に起こしちゃったくらいにさ、バカだけどレナちゃんの事それくらいに好きだって事だから。だからその…なんだ。嫌いだなんて言わないでやってよ」
「……」
黙ったまま、眉根を寄せるレナちゃん。そんなレナちゃんに、「まぁ、嫌なら無理する必要なんてないんだけど…どっちにしろあたしは二人が仲良くなってくれると嬉しいけどね」なんてあたしは微笑みかけた。するとレナちゃんはあたしを見ていた視線を下ろして、ふう…と、小さく息を吐いた。



