優しくないっ、優しさを感じない!



あたしは慌ててレナちゃんの両肩を掴むと言葉を制止させた。それにハッとしたような様子を見せたレナちゃんは、どうやら軽くパニックに陥っていたらしい。


「あ…えっと…私…」

「うん。まず落ち着こう。はい、深呼吸」


そしてお互いスーハーと息を吸って吐いて、一度区切りをつける。そして…話は、また元に戻された。


「えっと…つまりさ、レナちゃんはコースケがレナちゃんの事好きなの、もう知ってるって…事だよね?」

「……」


するとレナちゃんは、申し訳なさそうに小さく一回頷いた。うん、そこまでは大丈夫。


「で、断ったって事は…もしかして……レナちゃん、告白されたって事?」

「……」

「…レナちゃん?」

「……」


そして、たっぷり悩んだレナちゃんは再度泣きそうになりながら、渋々縦に頷いて見せる。うん、なるほどなるほど…コースケの奴、ついに言ったのか…告白したのかぁ……って、ん?


「は、早くない⁈ 」

「!」

「え、待っていつ?いつ告られたの?」

「え、えっと…」

「あ、責めてるんじゃないよ!ただその、相談したのが昨日だったはずだからさ、いやまさか今日こんな事になってるとは…いやまさかだよほんと…」

「…昨日の、塾帰りに…」

「絶対早い!思い立ったら即行動か!」

「!」

「そりゃ上手くいかないよ!いく訳ないって、バカかアイツは!」

「……」