「レナちゃん…」
あたしは、後悔した。レナちゃんはあたしに嘘をついてるとか、本当の事を言ってくれないかもとか、信用出来ないとか、そんな事を思ってた過去の自分に本当に嫌気がさした。あたしはどこまで嫌な奴だったんだろう。こんなレナちゃんに対してあんな風に思えた自分が恥ずかしい。ありえない。嫉妬してた、そんな一言で終わらせいいものだったのか、そんな風にすらも思う。
「レナちゃん、ほんとごめん。あたし、レナちゃんの事…」
「ううん、違うよ。ヒロちゃんが謝る事なんて何も無いよ。信用、出来なくて当たり前だよ。嫌いになって当たり前なの。だって私、ヒロちゃんに黙ってたし、友達なのに、ちゃんと信用、出来てなかったって事だし…」
「…そんな事ないよ、あたしだって悪い。あたしはレナちゃんが信用出来ない人間だったって事だもん。これからはなんでも言ってね、ほんとに。あたし…ほんとに、レナちゃんの事大好きだし、信用してるし、レナちゃんは一番の友達だからさ。だから…ね、本当に」
「……」
するとレナちゃんは、泣きそうな顔であたしをジッと見た。…そしてまた、違うんだと横に首を振る。
「…ヒロちゃん、私…」
するとレナちゃんは、俯いて動きを止める。そして…ポツリと呟いた。
「私…もう一つ、言ってない事があるんだ…」
「…もう一つ?」



