優しくないっ、優しさを感じない!



そうだ。ずっと諦められなくて、ずっと好きで…でも、報われる事はないって分かってた。それなのに決着つける事も出来なくて、無駄だって分かっていながらもそこに居続ける事しか出来ない…そんな現状をようやく打破出来たんだ。

諦めがついた…って、事なのかな。でもあたしはまだ好きだ。もしそんな機会があるなら絶対踏み込むと思うし、そうなると諦めたって事とは違うような気もする。でも…だからこそ、あたしらしい一番の在り方が分かった、その言葉が正しいと心から言えるのかもしれない。

諦めた訳ではない。でも昔よりは穏やかなこの気持ち。

好きだ。好きだからこそ応援したい。

好きな人だからその想いを支えたい…一番の、理解者として。大好きな、二人だからこそ。


「関係性は少しだけ変わっちゃうけど、でも前より清々しいの。そんな形がすごくしっくりくるんだ。だから…だからね、ようやくその、嫌な嫉妬して妬むあたしから解放されて、やっとレナちゃんと向き合えるって思って、それで…って、なんか訳分かんないよね、こんな事言われても。でも今はこんな風にしか言えなくて…」

「ううん、分かるよ。すごく分かる」


…迷いのないその声に、ハッとレナちゃんの目を見るあたし。するとレナちゃんはその声同様にしっかりとあたしの目を見据えていて、自分へ向けられていたであろうその想いを理解しているからこそあたしの言葉が分かるのだと、そんな思いをのせた力強さであたしに頷く。


「…あのね、私…実はね、今までずっとそうやって見られて来たんだ。全く一緒かは分からないけど…その、居場所を取られちゃうっていうのはきっと、似てると思う。そういう嫉妬心っていうのはね、だからすごく分かるの」

「……」