「…なんだそれ」


…もう正直、なんかいいやってなったきた。なんか…ちょっと疲れてきた感がある。

だいぶ落ち着いたし、なんか不安感も取れた。明日ちゃんと出来る気がする。だからもうこれ以上は…もういいや。後はまた今度で。なんて投げやりかなぁと思いつつも、次やる事は進藤の事じゃないし、もうこれはここら辺でいいんじゃないかと思う。


「…じゃあ進藤、今日はありがとう。進藤は思った展開と違ったみたいだけどあたしは助かったよ」

『…なんか棘があるように感じるんだけど、気のせい?』

「気のせいだよ。感謝してるんだからさ、ほんと」

『そう?ならいいけど』


そう言った進藤は小さく笑ってるみたいだった。何度も思うけど、電話だからハッキリ分からない。だから、


『まぁでも、違った展開で少し残念な気持ちもあるけどね』


なんて言う進藤の気持ちも目論見もさっぱり分からない。でももしかしたら正面で向き合ってたとしても分からなかったもしれない…なんて、いつもの奴の顔を思い浮かべながら思う。というかもうほんと、この人は分からない事だらけだ。