酷い!なんて酷い有り様なんだと、受け入れがたい事実に絶望すら感じてガッツリ落ち込むあたし。そんな違うと言いつつもどんより落ち込むあたしを見て、またコースケはゲラゲラ笑ったりするんだけど…それでも言葉だけは「まぁ、落ち込むなって。な?ヒロらしいって、面白かったし」なんて、慰めようとしてくれたりして…
「ってそれ、何の慰めにもならないんですけど」
「な。俺も言ってて思った」
…で、なんだそりゃと、結局最後は二人で笑ってしまうのだ。
コースケと話すと落ち込んだり笑ったり、いつもあたしの中で色んな感情が生まれる。いつも楽しいし、いつもワクワクする。だからその分の落差は激しいけど、でもそれは本当に、あの日からずっとコースケだけだ。
コースケとの時だけ、楽しいとか嬉しいとか悲しいとか、そんな普段の感情とかあと感覚がいつも以上のものになって生まれてくるんだ。
「なぁ今日さ、帰りドーナッツ食おう!」
「ドーナッツ?」
「最近さ、新しいのが出たんだよ。なんかクロワッサンのヤツ。あれが食べたくてさー!ヒロもそうゆーの好きだろ?」
「え、うん。好き!」
「だろ?そうだよな?じゃあ決定な!」
「了解!」
そして「じゃあ、また後でなー」と、去って行くコースケの後ろ姿を最後まで見送ったあたしは…
「レナちゃーん!寝癖直してくれて本当ありがとーう‼︎ 」
再度、直してくれた可愛い親友に感謝するのであった。



