「今はとりあえずこれで我慢して、また後で取ってみよう。多分直ってると思うから」
そして「折角伸ばしてるんだもん。中村君に見てもらわないとね」なんて言うレナちゃんには、あたしが少しでも女として見られたい!なんていう気持ち悪い理由から伸ばし始めた事も、すっかりお見通しだったらしい。
もっと言うと本当は、レナちゃんみたいな綺麗な長い髪に憧れて…っていう気持ちもあるんだけど、そこまでバレちゃってたら恥ずかし過ぎる。女々し過ぎる。乙女過ぎる。てかこの感じ、バレちゃってると思っても…う、うわぁ〜!
…なんて、まだハッキリした訳でも無いのにあたしは恥ずかしさに悶えたけど、でもそれも今更かと得意の前向きで思い直してそのまま二人で次の授業のために教室へと戻った。うん。もうあたしが気持ち悪いのは今更だったしね。
***
その後、授業が終わってすっかり乾いた寝癖部分のピンをとってみると、本当にバッチリ寝癖が直っていた。
「ありがとうレナちゃーん!」と思わず大はしゃぎするあたしに、「良かったね」と微笑むレナちゃんはなんだか普通の子には無いような品があって…うん、なんだろう。前々会ったばっかの頃から思ってたけど、
「レナちゃんって、本当に素敵だね」
「えっ、す、素敵⁈ 」
思わず呟いたあたしの言葉に、顔を真っ赤にするレナちゃんは物凄く可愛かった。レナちゃんにはあたしの中の理想の女の子ランキング断トツ1位をこれからも突っ走って欲しいと思う。
「あ、おーいヒロー!」



