…怒ってる。

進藤が、怒ってる。


「…なんでよ。何、急に」


…意味わかんない。なんで進藤がキレてんの？


「ナメてるって、何よ。あたしが大嫌いだって言ったから？だからキレてんの？」


話の流れからしてそれしか無い。それ以外にあたしがアイツを怒らせる様な事を言った覚えが無い。でも…こんな事で？という信じられない気持ちにしかならない。だってこんな事、あたしとアイツの関係じゃ口にしたってなんにも可笑しな言葉じゃない。


「何？今更。あんただってあたしの事嫌いじゃん。それともアレか。あたしがそう言うのはダメでも自分は良いんだ。そうゆー事か。それこそあんた、あたしの事ナメてんの？」

「俺はおまえの事嫌いだなんて言った事無いだろ」

「無い？何それ、どういうつもりで言ってんの？あんたあたしの事嫌いじゃん」

「だから、嫌いじゃ無いって言ってんの。嫌いな奴の話なんかわざわざ聞きにいかないだろ」

「でもレナちゃんの頼みなら仕方なかったんでしょ？今日だってそうだって言ってたじゃん。レナちゃんのために来たんじゃん。あたしの話なんか聞かないでレナちゃんの事ばっかだったじゃん」

「それはおまえがそんなとこ潜って何も話さなかったんだろ？本当良い加減にしろよ。おまえ、さっきから言ってる事めちゃくちゃだぞ」

「は？めちゃくちゃ？あたしの言ってる事のどこがめちゃくちゃだって言う訳？それはあんたの方じゃん！」