由佳は夢中で廊下を駆け抜けた。 今ならまだ、間に合う――…。 だがその時由佳は大事な事を思い出し、足を止めた。 「そうだ…」 そして由佳は廊下を引き返し、走りながら教室に戻った。 そして教室の入り口で探していた人物を見つけると、由佳は叫んだ。 「奈津子!」 ちょうど帰ろうとしていた奈津子に由佳がそう言うと、奈津子は驚いたように「何あんた、どうしたの?」と尋ねた。 「ちょっと話がある。」 由佳は息を切らしながらそう言うと、奈津子を2人になれる場所まで連れて行った。