「小野寺くんに真相を確かめてみたら?」
「えぇ、無理だよそんなの…。」
「だって、由佳ちゃんのこと大切に思っていたわけでしょ?」
「…それは犬を可愛がるような感じかもしれないし。」
由佳は呟いた。
「本人に確かめないことには、何も分からないよ。」
華代にそう言われ、由佳は渋々薫に聞きに行くことにした。
「それにしても、何て聞けばいいんだ…?」
華代に乗せられ足を進めてみたものの、途中で疑問に思う。
「この前一緒に話していた女の人は誰?って聞いたとして、何でそんなこと聞くのって感じじゃん…。」
由佳は呟いた。
冷静に考えて、そんなことを聞くということは「薫のことが好きだ」と本人に言っているようなものだ。

