放課後、由佳が華代と一緒に帰ろうとしていると、奈津子に呼び止められた。
「華代、ちょっとだけ由佳借りる。」
そうして奈津子は由佳を人気のない廊下に連れて行った。
一体何だろうと由佳が不思議に思っていると、奈津子は口を開く。
「由佳。あんたと薫の間に一体何があったか知らないけど…あんたが薫と縁を切ろうと、私は薫と今まで通り関わらせてもらうわよ。」
「…うん、それでいいよ。」
「あんたのこと裏切るわけじゃないの。それだけは分かってほしい。」
「うん、気にしてないよ。」
奈津子はわざわざ自分のことを気にしてくれていたのか、と由佳は申し訳なく思った。
すると奈津子は真剣な目で由佳の瞳を見つめながら言った。
「私、薫に本気なの。」
「……うん。」
「私、これからもガンガン攻めるから。」
「…うん、応援するよ。」
由佳はそう呟いた。
由佳の心がズキンと痛んだが、由佳はそれに無理矢理蓋をした。

