「悪い?あんたには関係ないでしょ!」
奈津子は怒ったように言う。
「あぁ、関係ねぇよ。お前がどういう風に寂しさを埋めようがお前の勝手だ。」
「そうよ!私の勝手よ!」
すると薫は静かに呟いた。
「じゃあこれは俺の勝手な意見だ。」
「…何よ!」
奈津子が怒ったように聞き返すと、薫は奈津子の目を真っ直ぐと見つめながら言った。
「もっと自分を大切にしろ。」
薫の口から出てきた予想外の言葉に、奈津子は口ごたえをすることも忘れ、呆然としながら薫の目を見つめた。
「寂しいなら寂しいって言え。つらいならつらいって言え。抱え込んで変なところに逃げ道を作んな。」

