その瞬間、室内に居た全員の視線が奈津子に向けられた。
「あ?お前、新入りの分際で俺らに逆らうんだ?」
室内にいる少年少女全員が、狂ったような冷たい目つきで奈津子を睨みつけている。
先程まで一緒だったはずの先輩も、奈津子を冷たい目で睨んでいる。
「いや…、私…その…」
口ごもる奈津子を見ながら、1人の男が呟いた。
「殺れ。」
奈津子は目を見開いた。
その瞬間、奈津子は部屋を飛び出し、逃げ出した。
今の彼らはまともな精神状態ではない。
きっと彼らは、手を出してはいけない何かに手を出してしまっている。
あの狂った目つきがその全てを物語っていた。
「待てよ!おら!」
奈津子の後ろを、複数の男女が追ってくる気配がした。

