嘘つきなポーカー 1【完】



黒虎のアジトの一室に入った瞬間、奈津子は目の前に広がる衝撃的な光景に息を呑んだ。


「やだぁ〜あはははは!」

「いやぁーー!あぁぁぁあー!あはははは!」


そこには半裸状態の少年少女が、奇声をあげたり狂ったような笑い声を発しながら、乱れ合っていたのだ。

よく見ると、そこに居る者たちは皆、目の焦点が定まっていない。


奈津子は先輩に誘われて雅人に会いに来たはずだが、そこには雅人の姿はなかった。

恐らく、最初から今日の目的はこれだったのだ。


「こういうの、初めて?」


先輩は奈津子を見てニヤリとそう笑うと、躊躇う様子もなくその輪の中に入って行く。


「奈津子ぉ〜お前も来いよ〜。」


知った顔の少年が、狂ったような目つきをしながら奈津子のもとに来ると、奈津子を無理矢理誘い込み、服を脱がせようとした。


「ほら、お前もこれ吸えよ。気持ち良いぞぉ〜。」

「きゃ!やめて!」


よだれを垂らしながらそう言う少年を、奈津子は思わず突き飛ばした。