「あぁ…なんか、聞いちゃ悪いかなって思って。」
由佳は苦笑いしながら答えた。
その時、床に寝そべっていた奈津子が突然がばっと起き上がり、由佳の目をじっと見つめながら言った。
「あんた、薫のこと好き?」
奈津子の質問に、由佳は一瞬言葉に詰まりかけたが、すぐに答える。
「好きじゃないよ…?」
すると奈津子はホッとしたような顔をすると、口を開いた。
「私ね、薫がすごく好きだよ。」
「…うん、知ってる。」
由佳は呟いた。
由佳の心が少しざわついたが、由佳は気付かなかったことにした。
「薫はね…私の救世主なの。」
奈津子は遠くを見ながら呟いた。
そして奈津子は、薫との出会いについて、話し始めた――…。

