嘘つきなポーカー 1【完】



「あぁ…なんか、聞いちゃ悪いかなって思って。」

由佳は苦笑いしながら答えた。


その時、床に寝そべっていた奈津子が突然がばっと起き上がり、由佳の目をじっと見つめながら言った。


「あんた、薫のこと好き?」


奈津子の質問に、由佳は一瞬言葉に詰まりかけたが、すぐに答える。


「好きじゃないよ…?」


すると奈津子はホッとしたような顔をすると、口を開いた。


「私ね、薫がすごく好きだよ。」

「…うん、知ってる。」


由佳は呟いた。

由佳の心が少しざわついたが、由佳は気付かなかったことにした。


「薫はね…私の救世主なの。」


奈津子は遠くを見ながら呟いた。

そして奈津子は、薫との出会いについて、話し始めた――…。