嘘つきなポーカー 1【完】



―――…。


「「5,4,3,2,1……あけおめ〜!」」


由佳と奈津子は一緒にカウントダウンをしながら、年を越した。


「あんたとこうやって一緒に年を越すなんて、天地がひっくり返っても無いと思ってた。」


奈津子は床の上に寝そべりながら言った。


「私も。奈津子とは一生分かり合えないって思ってたな。」


由佳も笑いながら答えた。


「由佳には、謝っても謝り切れないね。」

「良いんだよ、今が良ければ。」


由佳がそう言うと、奈津子は「ありがと。」と言って笑った。


暫く沈黙が続いた後、奈津子が天井を見ながら呟いた。


「聞かないんだね、あの日のこと。」


由佳はそれが、クリスマスイブのことを指しているとすぐに分かった。