―――…。
「「5,4,3,2,1……あけおめ〜!」」
由佳と奈津子は一緒にカウントダウンをしながら、年を越した。
「あんたとこうやって一緒に年を越すなんて、天地がひっくり返っても無いと思ってた。」
奈津子は床の上に寝そべりながら言った。
「私も。奈津子とは一生分かり合えないって思ってたな。」
由佳も笑いながら答えた。
「由佳には、謝っても謝り切れないね。」
「良いんだよ、今が良ければ。」
由佳がそう言うと、奈津子は「ありがと。」と言って笑った。
暫く沈黙が続いた後、奈津子が天井を見ながら呟いた。
「聞かないんだね、あの日のこと。」
由佳はそれが、クリスマスイブのことを指しているとすぐに分かった。

