すると和也は怒ったように言う。
「そんなこと言って、お前だって奈津子と薫がくっ付いても何も思わねぇのかよ!」
「いや私は別にそういうんじゃないし…」
由佳が答えると、和也は「くそー!」と叫んだ。
「由佳ちゃんってさぁ、本当に小野寺くんのこと何とも思ってないの?」
華代が不思議そうに由佳に尋ねる。
「良い人だとは思ってるけど…何で?」
「だってさぁ、あれだけのイケメンで、あれだけ毎日一緒にいて、あれだけ危機から救ってもらって…普通の人なら絶対恋に落ちると思うけど?」
華代の言葉に、由佳は考える。
「うーん…確かに小野寺薫には感謝してるけど…そもそも恋に落ちるって何?」
由佳が答えると、華代と和也は目を見合わせてぱちくりした。
「その人のことを考えるだけで胸がキューっとなったり、他の子と居るのを見て嫉妬しちゃったりしたことないの?」
「ない。」
由佳は即答する。

