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学校が冬休みに突入し、迎えた12月24日、クリスマスイブ。
由佳は必死に考えて買ったプレゼントを持って、待ち合わせの場所に立っていた。
吹き付ける風がとても冷たく肌に刺さり、由佳はマフラーに顔を埋めた。
集合時刻は17時だったけれど、少し早めに着いてしまった。
何だかんだで、由佳は初めてのクリスマスパーティーが実は楽しみだったのだ。
17時の5分前、由佳の次に待ち合わせ場所に現れたのは奈津子だ。
白いニットの可愛らしい洋服に、綺麗に巻いた髪がいつもより気合が入っていることを物語っている。
「あんた、もう着いてたの?」
奈津子は少し攻撃的にそう言うが、その言葉とは裏腹に由佳にカイロが差し出されている。
「ありがと。」
由佳はカイロを受け取ると、それを頬にそっと当てた。

