嘘つきなポーカー 1【完】



3人が奈津子の存在に気付いたのは、由佳の目の前に奈津子が立ち塞がった時だった。


クラス中の人が、今にも喧嘩を始めそうな2人を見つめている。

華代と薫も、訝しげに奈津子を睨みつける。

そんな2人をよそに、由佳は奈津子に向かって優しく微笑んだ。


「…おはよ。」


奈津子がぶっきらぼうに言った。


「おはよう、遠藤さん。」


由佳もそれに応えると、クラス中がざわついた。

当然だ。

ついこの間まで、いじめっ子といじめられっ子の関係だったのだから。


案の定、薫と華代も、由佳の目の前で目をぱちくりさせている。