「お前、よくもあいつにチクりやがったな!」
女の人の悲鳴に混ざって、男の怒号も聞こえてくる。
「お前のせいでなぁ、恭平さんが居なくなっちまっただろうが!」
聞き覚えのあるその名前に、由佳は耳を疑った。
「やめて!離して!」
由佳が恐る恐る声のする場所を覗くと、そこには複数人の男と、必死に抵抗する遠藤奈津子の姿があった。
「お前がやったことの愚かさ、思い知らせてやろうか!おらよ!」
男のうちの1人がそう言うと、奈津子を思い切り投げ飛ばし、上に覆いかぶさった。
奈津子の悲鳴が細い路地に響く。
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