嘘つきなポーカー 1【完】



「お前、よくもあいつにチクりやがったな!」


女の人の悲鳴に混ざって、男の怒号も聞こえてくる。


「お前のせいでなぁ、恭平さんが居なくなっちまっただろうが!」


聞き覚えのあるその名前に、由佳は耳を疑った。


「やめて!離して!」


由佳が恐る恐る声のする場所を覗くと、そこには複数人の男と、必死に抵抗する遠藤奈津子の姿があった。


「お前がやったことの愚かさ、思い知らせてやろうか!おらよ!」


男のうちの1人がそう言うと、奈津子を思い切り投げ飛ばし、上に覆いかぶさった。


奈津子の悲鳴が細い路地に響く。