「…どうしてそれを?」
「あの日、奈津子はお前と杉崎が一緒に帰ったと聞くや否や、血相を変えて薫にお前が拐われたと言いに行ったんだよ。」
その言葉で、由佳はあの日華代に言われたことを思い出した。
そう言えばあの時華代から、由佳の居場所を薫に教えたのは奈津子だと聞いて、由佳も驚いたのだった。
「奈津子は細谷先輩のグループと通じていた。だから細谷先輩がお前を狙っていることも知っていた。」
「じゃあ、どうして私の居場所を…?」
「そうだよ、だから聞いてんだよ。お前たちの間に何かあったのかと。」
「……記憶にない。」
「あいつが何の理由もなしに、グループを裏切って危険を冒してまで、憎んでいたはずの奴を庇うと思うか?」
「………。」
由佳は暫く考えたが、奈津子が自分を庇う理由がどうしても分からなかった。

