「あの優しくて正義感の強かった 恭ちゃんが、こんなことするって信じたくなかったの!」 「……。」 「私の唯一の味方だった恭ちゃんが、こんなに変わってしまったって思いたくなかっ…」 由佳が喋り終わらないうちに、薫は黙って由佳の腕を思い切り引いた。 由佳の身体はすっぽりと薫の腕の中に収まった。 「…俺がこの程度の怪我で済んだのは、あいつがあの時反射的に躊躇ったからだ。」 由佳は薫に抱き締められた驚きで声が出ない。 薫の少し速い鼓動が聞こえる。