嘘つきなポーカー 1【完】



薫と2人きりになった由佳は、何だか気まずくなって目をそらした。


「…どうなの、調子は。」

「…まぁまぁ。」

「あの…、これ持ってきたから。」


由佳はそう言って、薫に紙袋を差し出した。


「何これ。」


薫は差し出された紙袋を受け取って、尋ねる。

「ミス・ドーナツの新作。お見舞いの品。」

「お前それ、自分が食いたいだけじゃん。」

「…うるさいな。」


由佳はむすっとしながら呟いた。
薫の言葉は図星だったために、言い返す言葉が見つからなかった。