薫と2人きりになった由佳は、何だか気まずくなって目をそらした。 「…どうなの、調子は。」 「…まぁまぁ。」 「あの…、これ持ってきたから。」 由佳はそう言って、薫に紙袋を差し出した。 「何これ。」 薫は差し出された紙袋を受け取って、尋ねる。 「ミス・ドーナツの新作。お見舞いの品。」 「お前それ、自分が食いたいだけじゃん。」 「…うるさいな。」 由佳はむすっとしながら呟いた。 薫の言葉は図星だったために、言い返す言葉が見つからなかった。