嘘つきなポーカー 1【完】



「お前があの子を遭難から救った林間学校で、先生たちからあの子の名前を聞いたとき、俺は一瞬耳を疑ったよ。」

「……。」

「笠原由佳。俺が白龍に居た時代、トップ2だった三上からよく名前を聞かされていたからね。黒虎の1番の厄介者の唯一の弱点なんだ、ってね。」

「……。」

「その厄介者の名前が、細谷恭平だった。笠原由佳は細谷恭平の最愛の人だ、と俺は聞いていたよ。」

「……。」

「三上は彼女を人質にとって細谷くんを潰したかったみたいだけど、それは俺の趣味じゃなかったから拒否したよ。」

「……。」

「細谷恭平は後に黒虎のトップとなったと風の噂で聞いた。そんな黒虎のトップの最愛の人が、お前と関係している。なんとも不思議だった。」

「……。」