嘘つきなポーカー 1【完】



「薫がこんなにも他人に興味を示すなんて珍しくてね。本当にあいつは氷のような心の持ち主だったから。君が知らず知らずのうちにそれを溶かしてるんだろうね。」

「…別に今でも氷ですけど。」

「昔の薫を知ってる人が見たら今の薫は考えられないよ。」

「…そうですか。」

「あいつ、あんなんで不器用だからさ。他人には言わないけど、きっと色々抱えてんだよ。弟みたいなもんだから俺も心配なんだよ、あいつのこと。」


松本先生はそう言うと、また思い出したように笑い始めた。


「それにしても、犬猿の仲って…ぷぷぷ…あはははははは!君って本当に面白いね。」


由佳には一体何が面白いのか理解できなかった。

松本先生とは全く笑いのツボが合わなさそうだ、と由佳はこの時思った。