「…それで、先生と小野寺くんはその後どうされたんですか?」
華代は尋ねた。
「俺は専門学校へ進学した。その間も、薫のことは可愛がっていたよ。あいつは何だか放っておけなくてね。」
「…小野寺薫は?」
由佳は尋ねる。
「あいつは真面目に中学に行き始めたよ。まぁ、俺が無理矢理行かせたって言うほうが正しいかな。」
松本先生は困ったように笑いながら続けた。
「そして俺が武城高校の校医になることが決まったとき、ちょうど薫も高校に上がるところだった。俺があいつに武城高校に入学しないかと誘ったんだよ。あいつは頭もすごく良かったから、楽々入学出来たけどね。」

