恭平は大きなダブルベッドの上で、目を閉じた。 浮かぶのは、愛しい顔だ。 だがそれを掻き消すように、きつい香水の香りが恭平を包む。 「意外と激しいんだね。」 名前も知らない女が、一糸纏わぬ姿で恭平の隣で横になっていた。 そんな現実に、恭平は目眩がしそうになる。 「ずっとあの子のこと考えてた。」 「……。」 「本当に、分かりやすい子。」 「……。」 「消しちゃいなよ。」 簡単そうに言う女に、恭平はため息をついた。 「どう消すって言うのさ。」