「よぉ、矢吹。」
相手のグループの中心にいた人物が、口を開く。
「…松本、今日こそは勝たせてもらう。」
「ははは、そりゃ楽しみだ。」
そう言って笑う松本と呼ばれた男の隣でひときわ目立つ、銀髪の少年の姿を恭平はじっと見つめた。
他のメンバーに比べればまだ幼く見えるその少年は、堂々とした様子でグループの輪の中心にいる。
恭平は一目でその少年が「1度も負けたことのない最強の少年」だと分かった。
恭平は胸の奥からメラメラとしたものが沸き上がってくるのを感じた。
1番強いのは、僕だ―――…。
そう心の中で呟いた。

