その日の夕暮れ、恭平は中瀬に連れられて高架下に来ていた。
「黒虎」と書かれた大きな旗。
数十人のド派手な髪型と格好をした不良少年たち。
その中で、いかにも好青年で真面目そうな恭平は逆に周りから浮いていた。
「おめぇか。喧嘩が強いって奴は。」
グループの中心に居た1人の男が、恭平に声をかける。
「俺は矢吹蓮司。黒虎の第12代総長だ。」
矢吹と名乗る男はそう言うと、恭平に右手を差し出した。
「お前の噂は聞いている。お前の力が必要だ。あいつに勝つためには…。」
その時、ものすごい轟音と共に、何十台ものバイクがこちらに向かってきた。

