嘘つきなポーカー 1【完】



「まあ、それなりに。」


恭平が答えると、中瀬は恭平の前で両手を合わせて言った。


「頼むっ!お前の力が必要だ。」

「…何?」

「俺らのグループ、今日隣街のグループと喧嘩なんだよ。」

「嫌だよ。」


恭平が冷たくそうあしらっても尚、中瀬は引き下がろうとしない。


「最近俺らのグループ、負けっぱなしでさ。」

「知らないよ、そんなこと。僕を巻き込まないで。」

「でも新しく向こうのグループに入ってきた奴がすげー強いんだよ。あいつが居たら全然勝てねぇ。」

「……。」

「でもお前が居たら勝てるかもしんねぇ。だってお前、すげー強いんだろ?」



中瀬のその言葉に、無関心を決め込んでいた恭平の眉がぴくりと動く。


「そいつ、どのぐらい強いの?」


恭平が尋ねると、中瀬は答えた。


「あぁ、もう相当だよ。なんでも1回も負けたことがないらしい。」


「…ふーん。」


恭平は呟いた。