由佳は大人しい子だった。 友達と一緒に楽しそうに遊んでいるところなんて見たことがない。 笑顔を見せることもほとんどない。 だけどそれには理由があることを恭平は知っていた。 由佳の母親は由佳を愛していない。 子供の恭平が見てもはっきりと分かるほどに、由佳の母親の由佳に対する態度は冷たかった。 何故かは分からない。 きっと子供には分からない深い事情があるのだ、と恭平は考えていた。 幼い頃から由佳を見てきた恭平は、由佳の表情がだんだんと色を失っていくのを実感していた。