華代が曲がり角を曲がって姿が見えなくなるまで見送ると、由佳も自分の家に帰ろうと方向転換をした。
その時、目に入った人物の姿に、由佳は心臓が跳ね上がるのを感じた。
「やぁ、由佳。おかえり。」
高い身長、派手な金髪、いくつも開けられたピアス。
ついさっきはそこに居なかったはずの恭平が、不敵な笑みを浮かべながら由佳の目の前で塀にもたれ掛かりながら佇んでいた。
「そんなに怖がらないでよ。」
そう言いながら近付いてくる恭平に、由佳は黙って身構える。
「傷付くなぁ。僕はただ、由佳と話がしたいだけなのに。」
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