「あんまり自分のこと話すのに慣れてないから。今まで話す人も居なかったし…」
「あはは。じゃあこれからは私が居るからいっぱい話してくれていいんだよ!」
華代はそう言って笑った。
なんだか由佳は胸がキュンとした。
華代の言葉が、素直に嬉しかった。
「じゃ、私こっちだから!」
分かれ道に差し掛かった時、華代はそう言った。
「うん、また明日ね。」
「うん!」
由佳は何となく、去っていく華代の背中を見送っていた。
すると、暫く進んだところで華代が由佳のほうを振り返り、そして手を降りながら大きな声で叫んだ。
「由佳ちゃん、大好きだからね!」
こんなに優しくて純粋な子を裏切れるものか、と由佳はその時心から思った。

