嘘つきなポーカー 1【完】



「あんまり自分のこと話すのに慣れてないから。今まで話す人も居なかったし…」

「あはは。じゃあこれからは私が居るからいっぱい話してくれていいんだよ!」


華代はそう言って笑った。

なんだか由佳は胸がキュンとした。
華代の言葉が、素直に嬉しかった。


「じゃ、私こっちだから!」


分かれ道に差し掛かった時、華代はそう言った。


「うん、また明日ね。」

「うん!」


由佳は何となく、去っていく華代の背中を見送っていた。

すると、暫く進んだところで華代が由佳のほうを振り返り、そして手を降りながら大きな声で叫んだ。


「由佳ちゃん、大好きだからね!」


こんなに優しくて純粋な子を裏切れるものか、と由佳はその時心から思った。