「その時、私は必要とされてないんだって思った。お母さんのその言葉が、ずっと耳にこびりついて離れなかった。」
「……。」
「私は傷付かない人間になろうと思った。いつの間にか私は、感情と引き換えに1人で生きていける強さを手に入れた。」
その時、黙って話を聞いていた華代が、泣きそうな顔で由佳の手を握った。
「由佳ちゃん！」
「……？」
「1人で生きていける強さなんて、そんなもの要らないよ！」
「え…？」
「だって私が居るから！」
華代の目から、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。
「由佳ちゃんは、私が守るから。」
あ―――…。
聞き覚えのあるセリフに、由佳はハッとした。
