「私ね、由佳ちゃんはいつも1人でも負けない強さを持っているけど、本当はちょっと寂しいんじゃないかって、たまに考えたことあったな。」
華代の言葉に、由佳は力無く笑って、答えた。
「なんかもう慣れたかな。」
「そっか…。」
「だけど…小さい頃は寂しかったな。母親に甘える同い年ぐらいの子を見る度、羨ましいと思ってた。」
由佳は幼い頃の話を始めた。
「ある時、勇気を出してお母さんに抱きついて甘えてみたんだよね。一体どんな反応をするんだろうって思って。」
「……。」
「もちろん期待なんてしてなかった。でもね、その時に返ってきた言葉が想像以上に冷たくて。」
「……。」
「あんたなんか生まなきゃよかった、って。まるで邪魔者を扱うようにね。」
「ひどい…。」
華代は目を丸くした。

