帰り道、由佳と華代は何となく公園に立ち寄った。
華代は近くの自販機で缶ジュースを買って、由佳に手渡した。
「はい。」
「ありがと。」
由佳と華代はブランコに隣同士腰かけた。
暫く2人の間に無言の時間が流れた。
きっと華代は何と切り出せば良いのか分からないのだろう。
無理もない。
礼子の母親とは思えないあんな姿を見たら、普通の人間ならかける言葉も見つからないだろう。
「なんかごめん。」
由佳は呟いた。
「…うちのお母さん、昔から常にあんな感じなんだよね。」
すると華代も口を開く。
「私のほうこそ、ごめん。お母さんにあんな口聞いちゃって。」
「ううん、私のためにあんなこと言ってくれて、嬉しかったよ。」
由佳がそう言うと、華代は照れ臭そうに笑った。

