嘘つきなポーカー 1【完】



「あなた、由佳ちゃんのお母さん?だとしたら、ひどいお母さんですね。由佳ちゃんが可哀想。」

「華代…いいよ。何言っても無駄だって。」


由佳の静止を無視して、華代は続ける。


「自分が産んだ娘でしょう?どうしてもっと愛してあげないんですか?由佳ちゃんの気持ち考えたことありますか?」


華代は泣きそうな顔をしていた。

すると礼子は可笑しそうに高笑いをした。


「あなたにはまだ分からないのよ。きっと頭がお花畑なんでしょうね。」


そして礼子の声のトーンが冷たいものに変わった。


「だけど人間ってね、とっても汚いの。綺麗事が通じるのはいつまでかしらね?」


そして礼子はコートを翻して去っていく。


「まぁ、せいぜい友達ごっこを楽しみなさい。」


礼子はそう言い残して、見えなくなった。