「あなた、由佳ちゃんのお母さん?だとしたら、ひどいお母さんですね。由佳ちゃんが可哀想。」
「華代…いいよ。何言っても無駄だって。」
由佳の静止を無視して、華代は続ける。
「自分が産んだ娘でしょう?どうしてもっと愛してあげないんですか?由佳ちゃんの気持ち考えたことありますか?」
華代は泣きそうな顔をしていた。
すると礼子は可笑しそうに高笑いをした。
「あなたにはまだ分からないのよ。きっと頭がお花畑なんでしょうね。」
そして礼子の声のトーンが冷たいものに変わった。
「だけど人間ってね、とっても汚いの。綺麗事が通じるのはいつまでかしらね?」
そして礼子はコートを翻して去っていく。
「まぁ、せいぜい友達ごっこを楽しみなさい。」
礼子はそう言い残して、見えなくなった。

