嘘つきなポーカー 1【完】



「由佳はああいうイベントとか、興味なさそうだもんね。」


由佳はその声の主のほうへ自然と足を進めていた。


「昔から、そういうとこあったし。」


由佳が知っている声よりは、少し低くて太くなった声。
だけどその独特の諭すような話し方は、昔と変わらなかった。


「僕は由佳のこと、何でも知ってるから。」


「恭…ちゃん…?」


「久しぶりだね、由佳。」



由佳の目の前で妖艶な笑みを浮かべる金髪の美少年は、由佳が知っている姿とはまるで違っていた。

高くなった身長、派手になった髪色、いくつも開けられたピアス。


「どう…して…?」

「つい最近ここに転校してきたんだ。由佳ってば、いつになったら気付いてくれるのかと思ってたよ。耐えきれずに自分からバラしちゃった。」