次の日、華代が学校に行くと、靴箱のところでクラスの派手な女子集団が話しているのが耳に入った。
「玲香、何で昨日遅れたのー?」
そう声をかけるのは、女子集団の中心的存在である遠藤奈津子だ。
「それがさぁ、木村に掃除当番押し付けようと思ったら、笠原とかいう奴が渡辺に掃除当番が私ってこと言いやがってさぁ。マジうざ。」
華代はその場で立ち止まり、聞き耳を立てた。
私たちのことだ――…。
「へぇー。じゃ、そいつにちょっと復讐しちゃう?最近退屈してたんだよね。」
綺麗で長い髪を指先でくるくるとカールさせながら、奈津子は楽しそうな笑みを浮かべた。
「いいね。賛成~」
奈津子の取り巻きの女子たちは口々にそう言った。
それからだった。
クラスの女子たちの由佳へのいじめが始まったのは――…。

