「木村さん、今日の掃除当番変わってくんない?」
そこに居たのはクラスの派手な女子集団の1人である小林玲香だった。
華代は硬直した。
華代は玲香のことが得意ではなかった。
華代と玲香は同じ中学だった。
中学時代、華代はいじめられっ子だった。
そして玲香は華代をいじめていた女子集団の一員だった。
高校になって女子集団が別々の高校に進学してからはいじめはなくなり、華代は平穏な生活を送っていた。
だが今ここで玲香からの頼みを断ってしまえば、またいじめが始まるかもしれない。
だけど今日は妹の年に1回の大切な日。
きっと妹もパーティーを楽しみにしている。
一刻も早く帰らなければいけない。

