嘘つきなポーカー 1【完】



花火が終わった後、2人は芝生の上に仰向けに寝転びながら空を見上げていた。
いくつもの星が夜空に輝いている。


「ねぇ、小野寺薫。」

「ん?」

「…ありがとね。」


由佳がそう言うと、薫は「おう。」と空を見上げたまま笑った。


「でも、いきなり連絡しなくなるのはやめてよ。」

「あぁ、ごめん。寂しかった?」

「心配した。」


薫は由佳のほうを見た。
由佳は上を向いたまま続ける。


「何かあったのかなって。死んでないかなって。心配して夜も眠れなかったの。」

「……。」

「絶対怒ってやろうと思った。だけど顔見たら安心しちゃって、なんか怒る気も無くなっちゃって。」


由佳は可笑しそうに笑ってそう言った。