花火が終わった後、2人は芝生の上に仰向けに寝転びながら空を見上げていた。
いくつもの星が夜空に輝いている。
「ねぇ、小野寺薫。」
「ん?」
「…ありがとね。」
由佳がそう言うと、薫は「おう。」と空を見上げたまま笑った。
「でも、いきなり連絡しなくなるのはやめてよ。」
「あぁ、ごめん。寂しかった?」
「心配した。」
薫は由佳のほうを見た。
由佳は上を向いたまま続ける。
「何かあったのかなって。死んでないかなって。心配して夜も眠れなかったの。」
「……。」
「絶対怒ってやろうと思った。だけど顔見たら安心しちゃって、なんか怒る気も無くなっちゃって。」
由佳は可笑しそうに笑ってそう言った。

