由佳は予想外の展開に、ポカンと口を開いたままだった。
「なんか祭りやってるらしくて、花火上がるって聞いたからさ。」
「……。」
「どうせお前家で1人で過ごしてんだろうし、せっかくの夏休み、夏らしいこと経験させてやろうと思って。」
「……。」
由佳は言葉が出なかった。
何とも言えない気持ちが、胸の奥から込み上げてくる感じがした。
これが、感動というものなのだろか―――…?
夜空に咲く大輪の花はあまりにも綺麗で、由佳はそれが終わるまで、ずっと見とれていた。
花火を見るのは、人生で初めてだった。
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