嘘つきなポーカー 1【完】



由佳は予想外の展開に、ポカンと口を開いたままだった。


「なんか祭りやってるらしくて、花火上がるって聞いたからさ。」

「……。」

「どうせお前家で1人で過ごしてんだろうし、せっかくの夏休み、夏らしいこと経験させてやろうと思って。」

「……。」


由佳は言葉が出なかった。

何とも言えない気持ちが、胸の奥から込み上げてくる感じがした。


これが、感動というものなのだろか―――…?


夜空に咲く大輪の花はあまりにも綺麗で、由佳はそれが終わるまで、ずっと見とれていた。


花火を見るのは、人生で初めてだった。