式が始まる。

父さんと腕を組んでバージンロードを歩く。

向こうには一哉が・・・

祭壇の向こうに広がる大きな窓がだんだんと夕焼け色に染まってくる。

父さんから離れ一哉と向き合った・・・

やさしく微笑んでいる一哉を見て目の奥が熱くなってきた・・・

誓いの言葉を交わし、指輪の交換・・・

誓いのキス・・・

神聖なこの時間を私は一生忘れることはないだろう・・・

ここで誓ったことを・・・

教会から出てきたときは、披露宴に来る人たちも外で待っていてくれた。

ライスシャワーを浴び、みんなが祝福してくれた。

加奈子が大泣きしている姿を見て、二人で泣いた。

沙紀とも抱き合った。

そんな姿をみんなが優しく見ていてくれた。

少し離れたところで父さんと母さんが泣いていた・・・。

「こんなに綺麗な花嫁は見たことないわ、真理さん今日はおめでとう」

優志の両親が声を掛けてくれた。

教会でも一緒に座ってくれていたが、話ができないでいた。

「ありがとうございます・・・」

「優志もきっと何処かで見てるわね」

「きっといるはずです」

やさしい風が吹いた・・・桜の花びらが舞い降りてきた・・・

「優志・・・」

「来たなあいつ・・」

「来たね」

空を見上げて一哉と笑った。